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『この世界の片隅に』を見たけれど戦争物が苦手なのでやっぱりキツかった

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イオンシネマ京都桂川で『この世界の片隅に』を観てきました。
「戦争物が苦手な人にもおすすめ」という評判だったのですが
戦争物が苦手なわたしにはやっぱりキツかったという話です。

絶賛コメント以外見たくないという方はこの先読まないほうが良いでしょう。
個人の感想ですから反論されても困ります。
ネタバレもしますので、どうぞご注意ください。

『この世界の片隅に』を観たきっかけ

ネットでは『この世界の片隅に』が絶賛されていて
「単なる戦争物ではない」という意見が多数見られました。
こうの史代先生の作品が好きなので、観にいってみるかということで
イオンシネマ京都桂川まで電車に乗って出かけたわけです。

それで映画を見たら強いショックを受けてしまい、
イオンモール京都桂川まで行ったのに何も買わずに帰宅。
夜いつもの時間に布団に入って、明け方まで眠れませんでした。

観なきゃよかったとは思わないのですが、
自分の中でどう処理して良いのかわからないような映画でした。

一番つらかった点

どこがつらいって晴美が時限爆弾で死ぬところです。
「えっここで死ぬの」と衝撃を受けました。

直前の空襲は乗り越えてホッとしたところにあれじゃないですか。
それが戦争だと言われたらそうなのかもしれないのですが
お姉さんのことを思うとあまりにつらすぎました。

すずのことを「人殺し」と責める気持ちもわかります。
でもすずにとっては責められたほうが放っておかれるより楽だったかもしれません。

それまで大切に守ってきたものが一瞬で吹き飛んでしまうというのが悲しくて、
すずが「ああしていればよかった」と後悔するのも本当によくわかります。
自分の子どもじゃないからこそ余計につらいということもあるでしょう。

20年8月に何が起こったのかわかっているのでそこに行くまでがつらいのですが、
わたしはもう晴美が死んでからはそのことばかり気になっていました。
そこへ終戦直後、隠れて(?)泣いているお姉さんの姿ですよ。
もうかわいそうでかわいそうでたまりませんでした。

その後、すずが連れてきた孤児に晴美の服を出してやるところや、
エンディングで孤児と一緒に微笑んでいる姿で多少の救いはありますが
晴美は戻ってこないわけで、やっぱり悲しかったです。

『この世界の片隅に』の感想つれづれ

わたしはいまひとつ映画の良し悪しがわからなくて
『この世界の片隅に』についても評判になっているほど
傑作なのかわからずじまいでした。

どこで泣くのかわからない

「とにかく泣ける」という感想も多いのですが
わたしはどこで泣くのかよくわかりませんでした。

たぶん泣くことによってある程度発散できると思うんですよね。
わたしは泣けない分、かえってショックが大きかったという気がします。
晴美が死んで、すずが右手を失っても衝撃が大きすぎて涙も出ませんでした。

悪い人がいない

わかりやすく悪い人がいなかったのは良かったですね。
お姉さんもそこまで意地悪というわけではなく、
近所の人たちともまあまあうまくいっているようで、
その点は安心して見られました。

恋愛物なのかな?

全体的に恋愛物としての要素が強いと感じました。
それだけキュンとなるシーンが多いということでしょうか。

最後に『スカーレットピンパーネル』のラストを連想しました。
マルグリットがパーシーに
「わたしたち、本当の夫婦になりましょう!」というところです。
作品のテイストは全然違いますが、
ラストで夫婦が新しいスタートを切るという共通点がある気がします。

テンポは良かった

わたしは映画でもお芝居でもじっとしているのが苦手なので、
「あと何分で終わる」と何度も腕時計を確認するのですが、
『この世界の片隅に』は腕時計を見た回数が2回だけでした。
わたしにとってはかなりしっかり見られたほうです。
それだけ引き付けられるものがあったのかもしれません。

JOFK

原爆投下直後、ラジオを付けたものの
「JOFKが入らない」というシーンがあります。
いまでいうNHK広島放送局ですね。

わたしの大好きなアナウンサーがJOFKにいたことがありました。
時代が違ったらあんな非常事態に追い込まれていたのかと思うと
アナウンサーというのも大変な仕事だなぁと思いました。

こうの史代先生のこと

こうの史代先生のことは20年ぐらい前、中学生のときに知りました。
まんがタイムなんとかにこうの先生の作品が読み切りで載っていたのです。
犬が人間の女の子になって飼い主の男の子の前に現れる話でした。

作品が気に入って読者アンケートはがきに感想を書いて送ったら、
読者の広場に載って図書カードをもらいました。

でもそれからしばらくこうの先生のことは忘れていて、
近年戦争を描いて話題になってから「あのときの人だ」と思いました。

こうの先生のエッセイ集『平凡倶楽部』も読んだのですが
非凡な才能をお持ちの方だと思います。
20年前にこうの先生を見つけていた自分がちょっとだけ誇らしいです。

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