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映画『ドリーム(Hidden Figures)』を観てきました(ネタバレ感想)

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映画『ドリーム(Hidden Figures)』を観てきました。
1960年代のNASAで働いていた黒人女性たちを描いたこの作品。
評判が良さそうだったので観に行ったところ、本当にすてきな作品で感激しました。
ネタバレを含みますので、未見の方はご注意ください。

ドリームの邦題問題

この作品を知ったきっかけは邦題がおかしいというニュースからです。
当初「ドリーム 私たちのアポロ計画」というタイトルになる予定だったのだとか。
マーキュリー計画を扱った作品なのにアポロというのはおかしいということで、ネット上でさんざんに言われていたものです。

結果的に「ドリーム」になったものの、これもしっくりきていません。
映画を実際に観て、原題の「Hidden Figures」でしかあり得ないと思いました。
カタカナだとちょっとダサいかもしれませんが、「ヒドゥン・フィギュアズ」でよかったんじゃないの?という感じです。

ドリームだけだと検索に引っかかりにくいのももったいないなと思ってしまいます。

安心して見られる内容

タイトルはさておき、ストーリーはとてもよかったです。
予告編だけでもわかるとおり、差別されていた黒人女性が、それぞれの才能を活かして道を切り開いていく話。

残酷な描写がなかったのがよかったです。
精神的につらい描写はあるのですが、そこまで追い詰められるものではなく、徐々に解消できるようになっています。

途中、黒人差別反対派のバスが襲われたというニュースが出てきます。
「この人たちも巻き込まれるのではないか」とヒヤヒヤしましたが、そういうことはありませんでした。

ロケットの打ち上げが成功するのかどうかも知らなかったので、最後までドキドキしながら見ることができました。
こちらも残酷なことにはならず、安心しました。

オープニングから引き込まれる

ポスターの中心に映っている3名がメインキャストではありますが、中でも真ん中のキャサリンが主人公といってもよいでしょう。
物語はキャサリンが少女時代から数学の天才だったというエピソードからはじまります。
教室で二次方程式を解くシーンが後にもつながるので、しっかり見ておきたいところ。

そこから時代は1960年代へ。
車が故障して立ち往生するシーンが出てきます。
物語のはじまりから前途多難なことを予感させるんですね。
それでいて音楽も映像も爽やかで、ワクワクさせてくれました。

ドロシーとメアリー

キャサリン以外の2人、ドロシーとメアリーにもそれぞれのドラマがあります。

ドロシーは上司の白人女性ミッチェルとの対決が熱いです。
後半のほうに出てくる、トイレで対峙するシーンはドキドキしますね。
そもそも前半では白人と黒人でトイレが分かれているため、トイレで会うこと自体不可能なのです。
ドロシーの態度も前半とは異なり、堂々としているように感じます。
ドロシーが計算手たちを率いてコンピュータールームに移動するシーンは鳥肌ものでした。

メアリーの満島ひかり感すごくないですか?
「満島ひかり感ってなんやねん」と突っ込まれそうですが、メアリーの存在感や、それを演じるジャネール・モネイ氏の雰囲気が、日本のドラマにおける満島ひかりさんと重なって見えました。

メアリーが裁判で白人学校への入学を許されるシーン、裁判所を出たときの喜びかたがとても印象的です。
全身で喜びを表現するというのはこういうことなのだなと思いました。

男性キャストたち

キャサリンの上司である本部長役、ケビン・コスナーがカッコよすぎませんか。
合理的過ぎてややもすれば温かみに欠ける上司になりそうなのに、この作品中ではその合理化こそが求められているのが興味深いところ。
彼にとって黒人女性であっても数学の天才を使わない理由がないわけです。

フレンドシップ7打ち上げ直前の管制室のシーンがすばらしいですね。
キャサリンの目の前で扉が閉まり、しぶしぶ引き返そうとしていたところへ、本部長が扉を開け、キャサリンのIDカードを掲げて中に入るよう促す姿がとても感動的でした。

宇宙飛行士のジョン・グレンもカッコよかったですね。
黒人女性にも気さくに話しかけ、キャサリンの才能も認めます。
現代日本でいうイケメンキャラです。

これに対して、キャサリンに冷たくあたるポール・スタフォードはイヤな男です。
しかし最後の最後、時間が経ったシーンではキャサリンにコーヒーを淹れるようになっていて、ふたりの関係性が大きく変わったことがよくわかりました。

キャサリンは存命

ラストにモデルとなった人物たちの写真が映し出されて、この人たちがHidden Figuresだったのか、というふうに終わります。

そこでもっとも衝撃を受けたのが、キャサリンが存命であるということ。
「生きてるの?」と驚いてしまいました。

彼女が生きているうちに映画が公開され、その存在が広く知られるようになったのは素晴らしいことだと思います。

多少の脚色はあるにせよ、こんなドラマティックな実話があるということが驚きです。
同時に、数えきれないほどのHidden Figuresが存在するであろう事実にゾクゾクしました。

まとめ

なんとなく見たいな~と思っていたところに、家の近くのアレックスシネマ大津で上映されることに。
見ない理由はないということで行ってきました。
いつもガラガラの映画館ですが、わたしが行ったときは10人ぐらい入っていました。

すごく後味の良い作品で、心から見てよかったと思える映画でした。
印象に残ったシーンが多すぎて、すべてが名シーンのような映画です。
興味のある人は一度観に行ってはいかがでしょうか。

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