ブログ「オオツメモ」はこちら

宮島ムーの書いた小説が第196回コバルト短編小説新人賞を受賞しました

※当サイトにはアフィリエイト広告が含まれます

このたび集英社の第196回コバルト短編小説新人賞を受賞しました。
夢みたいにうれしいです。

小説家デビューに直結する賞ではないのですが、
この賞をとった後にデビューされた方もいらっしゃいます。
196回続いている伝統ある賞に名を連ねられたのがとても光栄です。

受賞作はこちらからお読みいただけます。
宮島ムー『二位の君』です。
第196回|短編小説新人賞|集英社Webマガジンコバルト

受賞した所感を書いておきます。

応募から受賞までの経緯

つい半年前まではコバルト短編小説新人賞の存在も知りませんでした。
いろいろな偶然が重なって今回の受賞になったので、
塞翁が馬とはまさにこのことだなと思っています。

この賞を知ったきっかけ

以前わたしは「第17回女による女のためのR-18文学賞」で最終選考に残りました。
残念ながら受賞できなかったのですが、全文が新潮社のサイトで公開され、
知らない人にもわたしの作品を読んでもらえてうれしかったです。

この賞を通して知り合った方からおすすめされたのが、
集英社Webマガジンコバルトで三浦しをん先生が連載している小説講座でした。
(2020年11月現在、Webでの連載は終了。単行本が出ています)

これをきっかけに、コバルト短編小説新人賞の存在を知りました。

2018年6月に応募

コバルト短編小説新人賞は過去(第181回~)の受賞作と最終候補作、
さらに三浦しをん先生と編集部員の選評が読めるようになっています。
せっかくなので、全部読みました。

コバルトというレーベルの存在は知っていました。
ファンタジーのイメージが強く、自分とは無縁だと思っていたのですが、
過去の受賞作を見ると現実世界を舞台にしたものも多くて、
これなら自分も応募できるかもしれないと思いはじめました。

コバルト短編小説新人賞は2ヶ月に1回、年6回行われます。
2018年6月10日の締切回に応募したのが『二位の君』です。

入選、最終候補作は全文が公開されますが、
「もう一歩」の作品はタイトルとペンネームだけ出ます。
「最終候補には残りたいな、ダメでも『もう一歩』に載るといいな」と思っていました。

事前の電話連絡

集英社の担当さんからは事前に電話連絡をいただきました。
最終候補の連絡かな?と思ったら入選に決まったという連絡で、
「ほんとですか?」と聞き返してしまいました。

情報解禁まではSNSやブログで公開しないようにとのことでした。
わたしみたいなただの主婦が秘密を握っているという事実が面白かったです。

この記事の下書きは9月中に書いていますが、
きょう、満を持して公開しています。

賞金がうれしすぎる

何がうれしいって、賞金がもらえることです。
小説でお金をもらうのはこれがはじめてです。

いま、パソコンもプリンタもカメラもiPadもニンテンドー3DSも調子が悪くて、
「20万円ぐらいあれば全部買えるかな、コバルト入選しないかな」と思っていたら、
まさかの入選で、宝くじにあたったような気分です。

受賞作「二位の君」について

主人公はテストでいつも学年二位の女子高生です。
わたしも二位の多い人生だったため、
二位の話を書いて一等賞を獲れたことに感激しています。

選評に感激

入選作と最終候補作には三浦しをん先生と編集部の選評がついてきます。
これがいつも辛口で、何を書かれるんだろうなーやだなーと思っていたのですが、
思いのほか褒めてもらっていてよかったです。

タイトルのこと

正直なところ「二位の君」というタイトルがしっくりきていなくて、
選評で突っ込まれるかな? と思っていたのにスルーだったので、
そこはあんまり問題なかったみたいです。

山田勝己イズム

R-18文学賞の最終選考で落ちたときはすごくショックで、
「こんな思いをするならもう小説書いて応募するのやめよう」
ぐらいに思っていました。

落選の知らせから数日後、たまたま放送していた「SASUKE」を見ました。
山田勝己は足を負傷しており、松葉杖をついて応援に来ていました。

怪我をおしてまで後進の応援に来ている山田勝己を見ていたら、
「山田だったら1回の落選で諦めるはずがない」
という思いが湧いてきたのです。

山田勝己は「ミスターSASUKE(笑)」という文脈で語られることが多く、
わたしもネタとして山田勝己を消費していた部分はありました。

しかし、ひとつのことに打ち込み、
「俺にはSASUKEしかないんです」とのたまう山田を見て、
山田を見習わなければならないと思うようになりました。

山田がいなければ「二位の君」を世に送り出すことはできませんでした。
主人公の思いも、山田イズムを踏襲したものになっていると思います。

万が一わたしが何かの機会に対談相手を選べることがあれば、
ぜひ山田勝己を指名したいです。

ちょっとほっとしてしまった

R-18文学賞で最終候補に残ったときは「まぐれかな?」と思っていたのですが、
ここで賞をいただいて、「多少は見込みがあるのかも」と思うようになりました。
グラフの点が1個から2個になって、線になった気分です。

書き続けていれば

最近、若竹千佐子さんの「おらおらでひとりいぐも」と関連インタビューを読んで、
わたしも書き続けていれば人生で一度ぐらい本を出せるかもなと、
わりと楽観的にとらえられるようになりました。

その「書き続けていれば」がすごく難しいことなのですが、
わたしはとても執念深い性格なので、なんとかなる気がしています。

コメント

  1. あかつき より:

    「二位の君」楽しく読ませていただきました。良かった。
    《なんてことだ。彼らは自分たちの笑顔にどれほどの価値があるのかわかっているのだろうか。いや、これは配布用のスマイルで、わたしには見られないワンランク上の笑顔があるのかもしれない》
    この文、特に良いです。声に出して笑いました。読み手を笑わせるの難しいもんね
    《おそらく階段を落ちたことと鼻血との因果関係はない》
    爆笑。良い小説でした

    • 宮島ムー より:

      あかつきさん、お読みくださりありがとうございました。

タイトルとURLをコピーしました